御祭神 御神徳伊奢沙別命(いざさわけのみこと) ※衣食住・海上安全・農漁業・交通安全 主祭神 伊奢沙別命は御食津大神(みけつおおかみ)とも称し食物を司り、また古くより海上交通、農漁業始め衣食住の生活全般を護り給う神として崇められている。神功皇后、応神天皇はまた漁業に対する御神徳著しく、古来五穀豊穣、海上安全、大漁祈願が行われ、現に農漁海運業者の崇信が極めて篤い。神功皇后は安産の神として霊験あらたかである。仲哀天皇・神功皇后・日本武尊・応神天皇・武内宿禰命は無病息災延命長寿、また神功皇后・玉妃命は音楽舞踊の神である。 |
由緒沿革伊奢沙別命は、笥飯大神(けひのおおかみ)、御食津大神とも称し、2千有余年、天筒の嶺に霊跡を垂れ境内の聖地(現在の土公)に降臨したと伝承され今に神籬磐境(ひもろぎいわさか)の形態を留めている。上古より北陸道総鎮守と仰がれ、海には航海安全と水産漁業の隆昌、陸には産業発展と衣食住の平穏に御神徳、霊験著しく鎮座されている。仲哀天皇は御即位の後、当宮に親謁せられ国家の安泰を御祈願された。神功皇后は天皇の勅命により御妹玉姫命(たまひめのみこと)と武内宿禰命(たけのうちのすくねのみこと)を従えて筑紫より行啓せられ参拝された。文武天皇の大宝2年(702)勅して当宮を修営し、仲哀天皇、神功皇后を合祀されて本宮となし、後に、日本武尊を東殿宮、応神天皇を総社宮、玉姫命を平殿宮、武内宿禰命を西殿宮に奉斎して「四社之宮」と称した。明治28年3月26日、神宮号宣下の御沙汰により氣比神宮と改められた。延喜式神名帳(えんぎしきじんみょうちょう)に「越前國敦賀郡氣比神社七座並名神大社」とあり、中古より越前國一ノ宮と定められ、明治28年、官幣大社に列せられ、一座毎に奉幣に預ることとなった。当神宮の神領は持統天皇の御代より増封が始まり、奈良時代を経て平安朝初期に能登国の沿海地帯は当神宮の御厨(みくりや)となった。渤海使(ぼっかいし)が相次いで日本海沿岸に来着したので神領の氣比の松原(現国定公園・日本三大松原)を渤海使停宿の処として、天平神護2年(766)勅によって松原客館が建設され、これを、氣比神宮宮司が検校した。南北朝争乱の延元元年(1336)大宮司氏治は、後醍醐天皇を奉じ金ヶ崎城を築いて足利軍を迎え奮戦したが利あらず一門ことごとく討ち死し、社領は減ぜられたが、なお、二十四万石を所領できたという。元亀元年(1570)4月大神司憲直等一族は越前国主朝倉氏の為に神兵社僧を発して織田信長の北伐を拒み、天筒山の城に立籠り大激戦を演じたが、遂に神宮寺坊は灰塵に帰し、48家の祠官36坊の社僧は離散し、古今の社領は没収され、祭祀は廃絶するに至った。慶長19年(1614)福井藩祖結城秀康公が社殿を造営されると共に社家8家を復興し、社領百石を寄進された。この時の本殿は流れ造りを代表するもので明治39年国宝に指定されたが戦災(昭和20年7月12日)により境域の諸建造物とともに惜しくも焼失した。その後、昭和25年御本殿の再建につづき同37年拝殿、社務所の建設九社之宮の復興を見て、祭祀の厳修につとめたが、近年北陸の総社として御社頭全般に亘る不備を痛感、時代の趨勢著しいさ中、昭和57年氣比神宮御造営奉賛会が結成され「昭和の大造営」に着手、以来、本殿改修、幣殿、拝殿、儀式殿、廻廊の新設成り、旧国宝大鳥居の改修工事を行ない、平成の御代に至って御大典記念氣比の杜造成、四社の宮再建、駐車場設備により大社の面目を一新。更に国家管理時代の社務所が昭和20年の戦火で焼失し、その後敦賀区裁判所の庁舎を移築、長く利用してきたが、老朽化により已むなく解体、平成23年6月大社に相応しい格式ある総木造社務所が新築落成した。 |
年中祭典 行事◎若水祭 1月1日 午前0時 ◎歳旦祭 1月1日 午前8時 ◎元始祭 1月3日 午前10時 ◎古神札御焚上祭 1月15日 午前7時 ◎節分祭 2月3日 午前11時 ◎紀元祭 2月11日 午前10時 ◎祈年祭 2月17日 午前11時 ◎天長祭 2月23日 午前10時 ◎御誓祭(みちかいまつり) 3月6日(旧暦2月6日) ◎御名易祭(みなかえまつり) 3月8日(旧暦2月8日) ◎昭和祭 4月29日 午前10時 ◎角鹿神社初卯祭 5月初卯日 午前11時 ◎春季例祭 5月4日 午前10時 ◎御田植祭 6月15日 午後2時 ◎牛腸祭(ごちょうさい) 6月16日 午前11時 ◎夏越大祓式 6月30日 午後3時 ◎総参祭 7月22日 午前10時 ◎神幸祭(しんこうさい) 9月3日 終日 ◎例大祭 9月4日(旧暦8月4日) 午前11時 ◎大神下前神社例祭(おおみわしもさきじんじゃ) 10月10日 午後3時 ◎神嘗祭当日祭 10月17日 午前9時 ◎明治祭 11月3日 午前9時 ◎兒宮(このみや)祭 11月15日 午前9時 ◎七五三祭 11月15日前後の期間中 ◎新嘗祭 11月23日 午前11時 ◎〆替・煤払い神事 12月15日 月次祭後 ◎年越大祓式 12月31日 午後3時 ◎除夜祭 12月31日 午後8時 ◎献燈祭 12月31日 午後11時 毎朝御日供祭、毎月1日朔旦祭、15日月次祭、干支の庚申日に猿田彦神社祭、その他臨時祭を随時斎行 |